【辻充孝先生講演】性能をプレゼンに活かす省エネ計算への取り組み方 オンラインセミナー(2021/02/02)

オンラインセミナーに特別講師として、岐阜県立森林文化アカデミー准教授の辻充孝先生をお招きし、ご講演いただきました。
今回のセミナーは、2021年4月からスタートする省エネ性能の説明義務制度対策として、企画いたしました。

   

第一部「標準計算法によるプレゼンの提案」

辻充孝先生から、実物件に基づき省エネ設計について、具体的な手順をご説明いただきました。2021年4月から計算ルートとしては、標準計算ルート(従来の詳細計算法)と簡易計算ルートが選択可能ですが、標準計算ルートなら設計過程で様々な情報を得られるとのご紹介があり、具体的に各部位の抵抗値から熱貫流率や表面温度の計算の求め方についても解説いただきました。また、実測結果をもとにした要素分解ということで、設計上の狙いと実際がどうであったのか、それらの分析結果についてもご報告いただきました。みなさまへのご提案としては『実践を重ね、勘所を身に着け、計算しなくてもUA値はこのぐらいになると予測できるようになるとよい』ということでした。充実した内容だったのですが、時間が短かったかもしれません。アーカイブ動画を1か月ご視聴いただけますので、復習していただければと思います。

また、令和2年度木材利用優良施設コンクールで林野庁長官賞を受賞した『morinos』についてもご紹介いただきました。森林、地域をつなぎ、かつ、印象的な外観で、今後の木造の可能性を感じられる実例でした。アカデミーのHPにはたくさんの秘話が記録されているということです。住宅にも取り込めるエッセンスがたくさんあると思われます。
最後に、建築物省エネ法のポイントについても解説を追加いただきました。こちらも、ぜひ、ご確認ください。

   

<岐阜県立森林文化アカデミーサイト>

<国交省情報サイト>

第二部 「ホームズ君を用いた省エネ計算と施主への説明図書の作り方」

インテグラルからは、ホームズ君「省エネ診断エキスパート」を使って、省エネ計算、適合判定をご紹介いたしました。モデル住宅法は必ずしも安全側の結果でないこと、ホームズ君を使えば標準計算ルートを簡単に行っていただけることをご提案いたしました。また、法改正に伴って、UA値の計算に使う、窓のU値の求め方の変更点についてもご紹介しました。求め方によって、窓のU値がかなり違います。とにかく安全側で設計したいという場合は標準計算ルートで窓のU値表から選ぶ方式となりますが、よりよい製品を採用している場合で、窓の実状の性能を活かした設計を行いたい場合にはカタログ値(JISに基づく実験値や計算値)や同じくJISに基づく計算値、WindEye(日本アメニティー協会が提供するWEBプログラム)をお使いいただくとよいということを具体的にご覧いただきました。

   

<YouTubeチャンネル 住宅性能診断士ホームズ君>

今年も、当面は新型コロナウィルス対策として、オンラインでの開催となりますが、オンラインの良さを活かして、もっと掘り下げて学べるセミナーの企画も予定しています。
引き続き「ホームズ君すまいの安心フォーラム」をよろしくお願いいたします。