<<特別>>【前真之先生 特別講演】 ホームズ君でつくる、これからのエコハウス

インテグラルは、2020年に向けて『日本の木造住宅をもっと強く!もっと暖かく!』プロジェクトを展開しています。このプロジェクトの一環として、専門家の先生をお招きしたホームズ君特別セミナーを開催しています。
今回は前真之先生(東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻)を特別講師にお招きして、『ホームズ君でつくる これからのエコハウス』と題し、特別セミナーを2020年1月21日に開催いたしました。
今回の特別セミナーは、受付を開始したその日から多数のお申込みをいただき、あっと言う間に満席となってしまいました。そのため、急遽定員を増員しましたが、それでも多くの方がキャンセル待ちの状態となりました。

【第1部】新・エコハウスのウソ UA値さえ小さければ暖かい家?
前先生には、これからのエコハウスについて、設計者が知っておくべき、盛りだくさんの情報と示唆がありました。まず近年の温暖化から始まり、高効率設備のエネルギー効率の改善の高止まり、太陽光発電の売電単価の低価格化、買電の高価格化など、これからのエコハウスを考えるうえで抑えておくべき背景のお話がありました。『使うエネルギー量を減らし、太陽光発電はなるべく自家消費し、少し蓄電できるようにべし』との基本的な方針のもと、具体的な設計については『UA値が小さいと自然室温が下がり、結果熱負荷が大きくなる』というのは本末転倒だと問題点を明らかにとしたうえで、非定常計算を行って太陽からの日射取得と断熱・蓄熱のベストバランスを見つけなければならない、リフォームにおいてもどこをリフォームしたら効果的か暖房費と暖かさの両面から具体的で定量的な手掛かりを掴んでいこう、そして、それは、ホームズ君を使えば、ある程度できるようになってきているとし、最後は『ホームズ君がんばって!』とエールをいただきました。
 
【第2部】これからの窓と床暖房
前半は、『これからの窓・遮蔽部材の選び方』と題し、YKK AP株式会社 中央研究所 児島 輝樹氏(工学博士)より、お話をいただきました。省エネ基準や熱負荷計算での課題、ガラスの季節ごとの検討の重要性(入射角特性)、付属部材による日射遮蔽効果と断熱効果、YKKAP製品カタログの物性値の読み方・計算のし方、窓の選び方など、わかっているようでわかっていない、開口部の奥深い性能について、詳しくお話しいただいました。後半は、『これからのリフォームにおける床暖房』と題し、株式会社リンナイ 商品開発部 温水機器試験室 課長 所 寿洋氏(あったか・安心・簡単リフォーム研究会 会員)より、お話をいただきました。「健康で快適な暮らしのためのリフォーム読本」の紹介や長年、高効率給湯器の研究を行っておられたご経験を活かしたリフォーム大実験の紹介をいただきました。
 
【第3部】ホームズ君の外皮設計と室温デザイン
インテグラル 執行役員の藤間明美より、建築物省エネ法の改正(令和元年5月17日公布)の『新省エネ区分』『説明義務』『省エネ計算書保存義務』の紹介と問題提起をさせていただきました。また、ホームズ君パッシブ設計オプションを用いた室温計算をご紹介させていただきました。

  
セミナー最後には、質疑応答の時間を設け、活発な質問がありました。普段、接することの少ないメーカーの研究部門の方との質疑もご参考にしていただけたのではないでしょうか。当日参加いただいた方からは、アンケートにて「大変参考になった」「説明義務制度も始まるので省エネ計算を導入しなければ」「今やっている耐震性に加えて、省エネ性も自社設計できるようにしたい」等の前向きな回答がありました。
いただいたご意見を踏まえ、今後のセミナーをよりよいものとできるよう、改善していきたいと思います。
弊社は今後も、『日本の木造住宅をもっと強く!もっと暖かく!』をスローガンに、様々なテーマでのセミナーを予定しておりますので、ご期待ください。