岩崎駿介・美佐子様の8年のセルフビルドの自邸『落日荘』(JIA2011年度環境建築賞最優秀賞)の見学ツアーを2018年10月3日(水)に開催しました。岩崎駿介氏にはインテグラルが3/1に開催した特別セミナー『木造住宅をもっと、強く!もっと、暖かく!』でご講演いただきましたが、その際に、聴講者から、ぜひ、現地に行ってみたいという要望があがり、それに快くお答えいただいたものです。当日は大阪、岐阜からのご参加もあり、約30名で『落日荘』に向かいました。
『落日荘』は茨城県八郷に位置し、インテグラル開発センターから約40kmのところにあります。見学者一同、マイクロバスに乗り、筑波大学、つくば里山博(2019開催予定)、筑波山・宝篋山、刈り取り前の黄金色の稲田を眺めながら、八郷に入りました。八郷に入ると、雑木の豊かな里山が道路両側に広がります。しばらく進むと、『落日荘』から真西にみえる足尾山が見え、いよいよ落日荘のある瓦谷(かわらい)地区に到着。
マイクロバスで入れるのは、『落日荘』の少し手前まで。ここで皆様に下車いただき、坂道を歩いていただきました。そして、いよいよアプローチ。18%ほどの勾配となっており、その先にどんな風景があるのか全く想像がつかないまま期待に胸を膨らませながら20mほど登ります。登りきると・・・!!!突如、本当に予期せぬタイミングで『落日荘』が美しい山々を背景に、目の前にど~んと広がります。多くの方が、ここで一目ぼれされるのではないでしょうか。そして、そこに、「やーやー、よく来たね。ようこそようこそ!」と気さくな先生が登場。
度肝を抜かれるも、まずは、約1000坪の敷地内を自由見学。そして、今年落成となった落日荘ホールで特別セミナー。ホールももちろんご夫妻のDIYです。高い天井、壁面いっぱいに作りつけられた書棚、ステンドグラス。冒頭でインテグラル代表取締役柳澤泰男よりご挨拶、そして、設計者向けの内容として『「建築設計」とは何か・・・落日荘の経験を通して』と題して講義をいただきました。落日荘の設計コンセプト、セルフビルドの過程、また、設計原則。「設計とは、イメージを通して関係性を実現すること」と説かれ、スケッチ、五感、イメージのつながり、イメージを飛躍させるプロセスを説明されました。そして、最後に、「一番大切なことは自分に”自信”を持つこと」と結ばれました。
講義のあとは、あらためて、落日荘を岩崎駿介氏、美佐子氏の説明のもと見学し詳細における様々な工夫を拝見させていただきました。あっという間の2時間の滞在でしたが、ご参加者のみなさまには、それぞれに『落日荘』という空間で感じられたものがあったのではないかと思います。その後、話し足りない点は懇談会へ。多少のアルコールも入り、非常に楽しい懇談会になったかと思います。
『落日荘』は地球環境問題を提起する岩崎駿介・美佐子氏の思想を反映した作品であり、すなわち、ご夫妻の生き方、お人柄、さらに他人との関係性を実現する素晴らしい建築であり、そこに集うことで、自ずと勇気がわくように感じられました。
今後も、『落日荘』の訴えるテーマの1つ、エネルギー問題について考えを深めながら、ホームズ君の『もっと、強く!もっと、暖かく!』プロジェクトを推進してまいります。
※なお、季刊誌「建築知識ビルダーズno.35」 (11月27日発売)に編集協力インテグラルで「落日荘の夜明け」文・堀部安嗣 撮影・雨宮秀也が発売予定となっております。当日はこれの抜粋版を配布いたしました。大変読み応えのある書き下ろしとなっております。本誌についても乞うご期待ください。