日本の住宅をもっと強く!もっと暖かく! 
ホームズ君 震度7に負けない木造住宅「耐震等級3のすすめ」

『震度7に負けない木造住宅 耐震等級3のすすめ』を大阪(11/24)、東京(11/30)で開催しました。本セミナーは、インテグラルが推進する『日本の木造住宅をもっと強く!もっと暖かく!プロジェクト』に基づいて開催される技術セミナーの第1弾です。

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2016年4月の熊本地震では、28時間以内に震度6強の地震が1回、震度7が2回続けて発生し、2000年以降に建築された木造住宅においても、大破・倒壊の被害が確認されました。
現行の建築基準法では、「極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強~7程度)に対して、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないこと」が前提となっています。しかし、基準法で想定している「大規模の地震」の加速度は300~400gal程度といわれており、現在の計測震度においては震度6弱~6強の下の方に該当します。震度7の地震に対しては、建築基準法を守るだけでは、耐震性が十分とは言い難い可能性があります。
品確法住宅性能表示における耐震等級で、等級3は、「数百年に一度発生する地震(東京では震度6強~震度7程度)の1.5倍の地震力に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度5強程度)の1.5倍の地震力に対して損傷しない程度」とされています。そのため、これからは「最低でも耐震等級3」という考えを視野にいれるべきかもしれません。
セミナー参加者の中には、既に耐震等級3を標準として設計している、という方も多数いました。他にも、熊本地震の後、耐震性に対して施主の関心度が上がっていることや、今自分の設計している建物の耐震性がどの程度のものなのか、より意識するようになった、というお話をうかがいました。

さて、耐震等級3を目指す上で重要なのが水平構面(床倍率)の検討です。
そもそもなぜ水平構面の剛性を確保するのかといえば、耐力壁の存在する各通りに地震力がかかったとき、水平構面の剛性が弱いと通りごとに変形量が異なり、建物にねじれが生じてしまうためです。それを防ぐために、水平構面に剛性を持たせ、各通りにかかる地震力を均等に分ける必要があります。
水平構面(床倍率)の検討においては、まだまだその考え方や等級のクリア方法などが浸透していないと思われます。ホームズ君サポートセンターにも、床倍率の等級を満たすにはどうすればよいのか、という問合せをよくいただきます。そのため、本セミナーでは、特に重点的に、床倍率の検討内容について解説いたしました。床倍率の基本は「耐力壁線」で区切られた床区画ごとに「必要床倍率」と「存在床倍率」を比較することです。各床区画に対して、「存在床倍率」が「必要床倍率」を上回っていればよいのです。実際に、「必要床倍率」が大きくなってしまうパターンや、存在床倍率が下がってしまうパターンなど、各パターンに対応した等級クリア方法を解説いたしました。

ホームズ君すまいの安心フォーラムでは、『日本の木造住宅をもっと強く!もっと暖かく!プロジェクト』に基づき、各テーマに沿ったセミナーを月替わりで開催いたします。今後もホームズ君のセミナーにご期待ください。