【前真之先生 特別講演】ホームズ君でつくる「エコハウス」セミナー(8/25大阪)

建築環境研究の第一人者である東京大学 前真之先生を特別講師にお迎えし、大阪でホームズ君でつくる「エコハウス」セミナーを開催しました。

2020年には省エネ基準適合住宅の義務化、2030年までに標準的な新築住宅の半数でZEHとするなど、省エネの方向性が示され関心が高まっています。その中で、本当のエコハウスとして何を目指すべきなのか、前先生の最新の知見と実験のデータをまじえながらご講演いただきました。

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エコハウスとは、誰もが末永く快適に住める住宅。その地域に住み続けられることが目標となります。
大手ハウスメーカーは全国一律で同じUA値をクリアする建物を提供します。そのため、単純にUA値の基準値達成だけでは、地元工務店は太刀打ちできません。しかし、例えば、日本海側と太平洋側では日照時間に差があります。太陽の熱をいかすために窓の位置・大きさをどうするのか、建物内の最低気温は何℃を確保するのか、その地域にあった検討と設計が必要になります。そこに地元工務店の可能性もでてきます。
また、敷地が決まった後の初回の打ち合わせで施主に何を提案できるのか。設計変更にかかる追加コストは、後半になるほど爆発的に上昇します。初期設計の段階で、地域や周辺の建物状況を考慮し、日当り、室温、熱負荷の目安が見えるとベストです。太陽をまじめに考えた非定常計算を行い、その地域に合った建物をつくってゆくこと、それが重要と前先生は締めくくられました。

第二部は、「敷地のパッシブパワーを活かせ!パッシブ設計のすすめ」です。パッシブ設計の考え方、そして、「日当り=太陽の力」を生かす設計ツールとなるホームズ君「省エネ診断」の敷地・日当りナビをご紹介しました。

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敷地・日当りナビを使用することで、日当りの良し悪しを知ることができます。日の当り方によっては、冬の室温が大きく異なってきます。構造の検討に入る前に、隣棟などの周辺状況、気象条件などを検討することが重要です。敷地・日当りナビでは、日影(光の日当り)と日射熱(熱の日当り)の2つの観点から3D表示でシミュレーションすることができます。これらの観点から、最適な外壁ラインを検討することができるようになります。
※詳細はこちらのページを参照ください。

また、ホームズ君「構造EX」においても、構造の検討前に概算UA値を計算する機能が追加されました。あらかじめ省エネにおけるUA値をある程度把握した状態で構造の検討を行なうことで、省エネでUA値がクリアしないなどの不都合が生じた場合の手戻りをなくすことができます。
※詳細はこちらのページを参照ください。

ホームズ君「省エネ診断」の機能を活用いただくことで、パッシブ設計が行ないやすく、かつ施主にも見える形で伝えることができるようになります。前先生がおっしゃった、その地域に合った建物をつくってゆくこと、これを実現していくために、是非活用いただければと思います。

本セミナーを通して、エコハウスについて皆様の関心が少しでも高まったのであれば幸いです。今後も有意義なセミナーを企画してまいりますので、是非ご参加いただければと思います。