ホームズ君『すまいのエコナビ』の発売を記念して、ホームズ君「パッシブ設計セミナー」を開催いたしました。
2016年2月8日の東京会場には、建築環境研究の第一人者である東京大学
前真之先生を特別講師にお迎えしました。日経アーキテクチュア掲載時から話題となった「エコハウスのウソ」の著者である前先生が『エコハウスのホント』を熱く語られました。
ご講演の中、「気密なき断熱は無力なり」という言葉がありました。
平成11年基準の途中から気密の規定がなくなり、外皮性能の判定が、断熱性能のみで行われるようになりました。また、「日本の伝統にそぐわない」「木が呼吸できなくなる」などの理由から気密を毛嫌いする建築家も多いそうです。
しかし、たとえ断熱性能がよくても気密性が悪いと、暖気は上から逃げ冷気が下から吸い込まれてしまいます。逆に気密性がよい家では暖房効率がよくなることや断熱等性能等級4でもそれなりに温かい家になることを、実際のサーモグラフィーの画像をまじえてご紹介いただきました。
最後に前先生は、エコハウスは『特別な家』や『他の誰かの家』ではなく、みんなが住めて幸せに暮らせる私達の『普通の家』であるとおっしゃっていました。
「家族に寒い思いをさせたくない」「将来の光熱費を心配したくない」「みんなの健康は一番大事」など、住まい手の願いはいろいろですが、その答えが『本物のエコハウス』であると締めくくられました。
特別講演に続いて、インテグラル 執行役員 藤間明美が「パッシブ設計のすすめ」というテーマで、パッシブ設計とは何か、そのメリットについて講演を行いました。
施主様に本当に満足していただけるパッシブ住宅を提案するため、下記のチェックポイントを地域ごとの気象条件、季節、隣棟などの要素を考慮したシミュレーションと共にご紹介しました。
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【チェックポイント】
- 建物の向きによって日照時間や日射熱取得量はどの程度変化するのか?
- 隣棟の距離によって日照時間はどのくらい変わるのか?
- 軒の出の寸法がどのくらいになると、照度や日射熱に影響が出てくるのか?
- 外皮性能で一次エネルギー消費量(暖冷房)、光熱費はどれだけ差がつくのか?
また、ホームズ君「すまいのエコナビ」を用いて、様々な観点から特徴的な3物件を比較したケーススタディを紹介いたしました。
実物件を通したシミュレーションで、日照時間や夏と冬の日射熱取得量の違い、通風など、これまで感覚的だった部分が、具体的に見えたのではないかと思います。
セミナー終了後、「すまいのエコナビ」について様々なご要望やご意見をいただきました。
モニター制度や日当たりを考慮した暖房費の違いをシミュレーションできるような機能強化等を現在検討中です。
引き続き関心を持っていただければ幸いです。
今後も様々なセミナーを企画・開催する予定です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※「すまいのエコナビ」オプションという商品名で紹介されている内容については、 ホームズ君「省エネ診断エキスパート」パッシブ設計オプションとしてお読みください。