秋葉原 稲山正弘教授特別講演「許容応力度計算のすすめセミナー」

2012年6月28日、秋葉原にて「許容応力度計算のすすめセミナー」を開催いたしました。

「公共建築物木材利用促進法」(2010年施行)の推進のため国交省が定めた
「木造計画・設計基準及び同資料」では、許容応力度計算以上の計算が求められています。

そこで、許容応力度計算の教科書である、財団法人 日本住宅・木材技術センター発行
「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」の編纂に携わられた
東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 稲山正弘教授
をお迎えし、お話しいただきました。

午前中の「木造住宅耐震診断セミナー」同様、早い段階で満席となりました。
沢山の方にご参加いただき、許容応力度設計に関する関心の高さが伺えました。

 

 

 

前半では、稲山先生より
「大規模木造建築の構造設計手法 ~現行法規・コストの制約条件内での回答~」
という題目でお話しいただきました。
地場産材の限定利用の問題点等、具体的な事例を交えながら
中大規模木造をつくるポイント、課題や解決策をご説明いただきました。
稲山先生が携わられた美しい建築物の写真も見せていたいただき、木造の可能性を私たちに教えてくださいました。

講演でどういう時にいろいろなアイデアが出てくるのか?という質問に対して
このようなことをおっしゃっていました。
・考えるのが好きで、アイデアはそこから生まれてくる。
・流通品、既存の金物とプレカットでできる範囲内で、特性を活かし組み合わせるから面白い。
・なんでもできてしまうと考えないし、工夫しなくなってしまう。そうなると意外と面白いものができない。
・制約条件の中で考えた方がむしろ面白い、新しいアイデアが出てくる。
これらの稲山先生のチャレンジ精神や探究心から、素晴らしい作品が生まれているのだと、興味深く感じました。

 

 

後半では、インテグラル 代表取締役柳澤泰男より
「はじめての許容応力度計算 ~許容応力度計算のススメ。構造力で差をつける!~」
という内容で、許容応力度計算の概要や基本的な流れについて説明いたしました。

“使いながら構造計算が学べるソフト”がコンセプトで
財団法人 日本住宅・木材技術センター 木造建築物電算プログラム認定取得の
「ホームズ君 構造EX 許容応力度オプション」を用いた実践的な設計手順や
検定NG解消方法もご紹介いたしました。

併せて、2012年5月6日に発生した茨城県つくば市 竜巻被害報告と
5月27日にインテグラルが建物重量や建物の耐力等の計算等について
東京工芸大学の田村幸雄教授に協力させていただいた、風洞実験の様子もご紹介いたしました。
参加者の方からは、とても勉強になった、面白かった、木造の可能性について希望が持てた
という声を沢山いただきました。

これからもインテグラル すまいの安心フォーラムは、皆様にご満足いただける
充実した内容のセミナーを開催してまいります。