はじめての「許容応力度計算」セミナー

福岡10/17(火)、東京10/25(水)、大阪11/1(水)、名古屋11/29(水)にて、はじめての「許容応力度計算」セミナーを開催いたしました。
2016年4月の熊本地震の被害状況から、木造住宅の耐震性能は、建築基準法を単に満たすだけではなく、もっと上の性能である品確法「耐震等級3」を目指すべきであるという考えが強まってきました。
この「耐震等級3」ですが、その計算方法は現在、2つの方法があります。1つは仕様規定(品確法壁量計算や床倍率等)から求める方法、もう1つは許容応力度計算により求める方法です。
今回のセミナーでは、これから許容応力度計算を始めようとされている方に向けて、仕様規定や許容応力度計算で求められる耐震性能の違い、許容応力度計算の全体像や概念について解説しました。

福岡会場
東京会場
大阪会場
名古屋会場

■第1部 よくわかる許容応力度計算

 

第1部では、建築基準法や品確法住宅性能表示の仕様規定および許容応力度計算の各基準の違い、そして許容応力度計算の全体像の解説を行いました。
そもそも許容応力度計算では何を検討するのか?これから取り組もうと考えている方の中には、とても膨大で難しいことをやらなければならないのではと思う方も多いでしょう。
確かに、建築基準法の仕様規定(壁量計算、壁の配置、N値計算等による金物算定)と比べると、検討する内容は多くなりますが、その分精緻な計算を行っているということになります。
まずは全体像を把握し、各項目でどのような計算を行っているのかということを順番に解説しました。
今回のセミナーでは資料を一新し、鉛直構面、水平構面、基礎の検討だけでなく、そもそもの「軸力の考え方」や「柱頭柱脚接合部の引抜力の検定」「横架材接合部の引張耐力の検定」「柱軸力による土台のめり込みの検定など、許容応力度計算の各項目の計算内容を詳細に把握できるものをご用意しました。
特にこれから始めようとしている方においては、計算内容のイメージがしやすかったのではないかと思います。

■第2部 ソフトで行う許容応力度計算の実務フロー

 

第2部では、ホームズ君「構造EX」で許容応力度計算を行う場合の注意点や、wallstat連携オプションを使用した分析結果等をご紹介しました。
会場では、検定NGを解消する方法等をQ&A形式で解説した資料を配布いたしましたので、実際にホームズ君「構造EX」で許容応力度計算を行う際の参考にしていただけると思います。

会場でお話を伺った意匠設計事務所や工務店の方々がよく仰っていたのが、「これまで構造の検討は外部の構造設計事務所に依頼していたが、今後は自社でもできないかと考えている」ということでした。
意匠担当者から構造担当者へ引き継ぐ時の設計意図の伝わり方、プラン変更が起きたときに時間がかかる等、タイムリーに進められないことを悩まれている方が多いと感じました。
ソフトウェアを使用すれば、許容応力度計算の難しい検討も難無く行えるようになります。
ただ、それを行う前提として、やはり計算の概要を知っておく必要があります。
今回のセミナーの講演と配布資料を通して、ひと通り知っていただけたと思います。特に配布資料は参考書として今後もお手元に置いてお役立てください。
現状の最高の耐震性能である「許容応力度計算で計算する耐震等級3」。これを念頭に、是非とも許容応力度計算に取り組んでいただければと思います。