インテグラル創立30周年記念セミナー 『日本の木造住宅を強くしよう』~熊本地震被害に学ぶ~

9月 29th, 2016

木質構造のスペシャリスト、宮澤健二先生(工学院大学 名誉教授)と大橋好光先生(東京都市大学工学部教授)を特別講師にお迎えし、インテグラル創立30周年記念セミナーを開催いたしました。当日はホームズ君シリーズのユーザー様を中心に300名近い方にご参加をいただきました。

特別講演1:宮澤健二先生「熊本地震被害を建物調査と設計図書から読み解く」
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宮澤先生は、平成28年熊本地震発生直後から現地入りをされ、倒壊・崩壊した木造住宅の原因について調査・分析をされています。
熊本地震では、阪神淡路大震災(1995年)以降に培われてきた耐震工学にのっとって設計された建物(特に2000年以降に建てられた建物)にも被害がありました。それに対して工学的な視点で建物被害の調査・分析を行えたことが、耐震工学の進歩、調査・分析方法の進歩、木造の限界状態の見極めなどの観点から重要である、とおっしゃっていました。

また、木造住宅に関わる改善すべきことを「建築基準法の根幹」「基準法施行令の基本的問題」「施行令46条壁量計算」の3つの視点からお話されていました。建物重量や計算対象の床面積、軟弱地盤や雑壁の扱いなど、4号特例や施行令46条壁量計算が抱える問題を改めて認識することができたと思います。
「建築基準法の根幹」では、想定する地震動を震度7まで上げるよりも、住宅性能表示制度の耐震等級2や耐震等級3を満たすなど、自主的判断で耐震性を向上するよう、優遇措置を含めて推進し、また、単純に必要壁量を増改訂するのではなく、靭性型、構造計画等により実態強度の向上をはかるべきとも仰っていました。

特別講演2:大橋好光先生「設計者のための『木造住宅の耐震性能の考え方』」
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建築基準法を守っていれば、震度7でも木造住宅は壊れないのか?
建築基準法と木造住宅について「震度」と「壁量」の問題点と改善点をお話いただきました。

「震度」は1996年に計測震度に変更され震度のレベルが変わりました。建築基準法が想定する「大地震」は、300~400gal程度の加速度と言われてきましたが、計測震度に変更後はこの加速度では震度6弱~6強の下の方になります。そのため、建築基準法は震度7までは想定していないことになります。建築基準法を守っているだけでは、震度7で倒壊しないとは言えないということになります。

「壁量」について、施行令46条壁量計算の必要壁量は、住宅性能表示の壁量計算などで必要な耐力の3/4程度しかない。これは施行令46条壁量計算が前提としている建物の荷重が、住宅性能表示の壁量計算などと比べて軽いことが影響しています。
また、はだか筋かいでは想定している壁倍率が発揮されないことにも言及されていました。これは圧縮筋かいが座屈するので靭性がないためです。

建築基準法では「大地震に対して建物が倒壊せず、命を守ること」が目標となっています。
しかし現在では「大地震後も住み続けられる家」が望まれていると言えます。建築基準法の壁量計算を満たしているだけでは、不十分と言えます。

木造住宅は軽いので、耐震性能は上げやすい・・・建物の耐震性能は、自分で決める時代に入っていると、大橋先生は仰いました。
耐震性能を高める方法として、構造用合板の釘間隔を半分にする(耐力が1.8倍UPする)、内装下地の石膏ボードを準耐力壁仕様にする、といった具体的な方法にも触れられていました。さほど費用をかけなくても、壁を増やさなくても、耐震性を上げることができます。
最後に、「木造業界から耐震等級4や等級5を発信して倒壊被害をなくそう」そう提案されて締めくくられました。

そして、パネルディスカッションのテーマは「日本の木造住宅を強くしよう」です。特別講演をいただいた宮澤先生、大橋先生に加え、インテグラル代表取締役の柳澤泰男がパネリストとして登壇しました。コーディネータは、日経ホームビルダー 編集者である荒川尚美さんです。荒川さんは熊本地震担当記者として何度も現地に足を運び特集記事を執筆されています。

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既存住宅の耐震化を促進するにはどうすればよいか。耐震診断の時間をより短くする、リフォームのタイミングで一緒に行うなど、より抵抗なく耐震診断を受けられるよう診断法も変えていく必要があることなどが話し合われました。
新築住宅については、震度7の地震が発生しても住み続けられる家にするには、壁量をどこまで上げればよいのかなどが話し合われました。建物にねばりを持たせる、地震動と建物の性能をもう一度整理し直した方がよい、雑壁についても考慮するなどのお話がありました。大橋先生からは「これからは住宅性能表示制度の耐震等級3を最低基準と考えるべき」との提案がありました。

お二人の先生のそれぞれの視点から語られる講演は、今後の木造住宅を作っていくうえで、大変参考になるものだったと思います。
震度7の地震が発生しても住み続けられる家、それを実現するためにどのように耐震性を高めていくのか、よりいっそう高い意識をもって取り組んでいかねばならないと感じました。

弊社は30周年という区切りを迎えました。ホームズ君シリーズやすまいの安心フォーラムを通して、さらに皆様のお役に立てるよう努力してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【前真之先生 特別講演】ホームズ君でつくる「エコハウス」セミナー(8/25大阪)

8月 26th, 2016

建築環境研究の第一人者である東京大学 前真之先生を特別講師にお迎えし、大阪でホームズ君でつくる「エコハウス」セミナーを開催しました。

2020年には省エネ基準適合住宅の義務化、2030年までに標準的な新築住宅の半数でZEHとするなど、省エネの方向性が示され関心が高まっています。その中で、本当のエコハウスとして何を目指すべきなのか、前先生の最新の知見と実験のデータをまじえながらご講演いただきました。

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エコハウスとは、誰もが末永く快適に住める住宅。その地域に住み続けられることが目標となります。
大手ハウスメーカーは全国一律で同じUA値をクリアする建物を提供します。そのため、単純にUA値の基準値達成だけでは、地元工務店は太刀打ちできません。しかし、例えば、日本海側と太平洋側では日照時間に差があります。太陽の熱をいかすために窓の位置・大きさをどうするのか、建物内の最低気温は何℃を確保するのか、その地域にあった検討と設計が必要になります。そこに地元工務店の可能性もでてきます。
また、敷地が決まった後の初回の打ち合わせで施主に何を提案できるのか。設計変更にかかる追加コストは、後半になるほど爆発的に上昇します。初期設計の段階で、地域や周辺の建物状況を考慮し、日当り、室温、熱負荷の目安が見えるとベストです。太陽をまじめに考えた非定常計算を行い、その地域に合った建物をつくってゆくこと、それが重要と前先生は締めくくられました。

第二部は、「敷地のパッシブパワーを活かせ!パッシブ設計のすすめ」です。パッシブ設計の考え方、そして、「日当り=太陽の力」を生かす設計ツールとなるホームズ君「省エネ診断」の敷地・日当りナビをご紹介しました。

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敷地・日当りナビを使用することで、日当りの良し悪しを知ることができます。日の当り方によっては、冬の室温が大きく異なってきます。構造の検討に入る前に、隣棟などの周辺状況、気象条件などを検討することが重要です。敷地・日当りナビでは、日影(光の日当り)と日射熱(熱の日当り)の2つの観点から3D表示でシミュレーションすることができます。これらの観点から、最適な外壁ラインを検討することができるようになります。
※詳細はこちらのページを参照ください。

また、ホームズ君「構造EX」においても、構造の検討前に概算UA値を計算する機能が追加されました。あらかじめ省エネにおけるUA値をある程度把握した状態で構造の検討を行なうことで、省エネでUA値がクリアしないなどの不都合が生じた場合の手戻りをなくすことができます。
※詳細はこちらのページを参照ください。

ホームズ君「省エネ診断」の機能を活用いただくことで、パッシブ設計が行ないやすく、かつ施主にも見える形で伝えることができるようになります。前先生がおっしゃった、その地域に合った建物をつくってゆくこと、これを実現していくために、是非活用いただければと思います。

本セミナーを通して、エコハウスについて皆様の関心が少しでも高まったのであれば幸いです。今後も有意義なセミナーを企画してまいりますので、是非ご参加いただければと思います。

ホームズ君「地震被害に学ぶ!耐震等級3のすすめ」

7月 15th, 2016

ホームズ君「地震被害に学ぶ!耐震等級3のすすめ」を大阪(6/23)、名古屋(6/24)、東京(7/7、7/14)にて開催いたしました。

会場の様子  CIMG2794-2

「建築基準法」は、大きな地震が発生するたび、強化されてきました。宮城県沖地震後の1982年には建築基準法施行令の大改正が行われ、必要とされる耐力壁の量が従来から約38%割り増しされた「新耐震基準」が設けられました。その後、兵庫県南部地震を受けて2000年には「新耐震基準」が強化され、地耐力に応じた基礎仕様の明確化、四分割法や偏心率による耐力壁の配置規定、柱頭柱脚接合部の金物の必須などが盛り込まれました。
しかし、2016年4月に発生した熊本地震では、震度6強から震度7の地震が短期間に立て続けに発生したことで、2000年以降に建築された木造住宅においても、倒壊・全壊の被害が確認されました。今後、震度7の地震に負けない家にするためには、どこまでの耐震性を求めればよいのでしょうか?
その答えの一つが、品確法で定められている耐震等級3(極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊しない)を満たすことと考えられます。本セミナーでは、インテグラルが独自に行った熊本地震現地調査結果と、耐震等級3の考え方や検定方法、検定をクリアするポイント等をお伝えしました。

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インテグラルは平成28年熊本地震による建物被害、特に木造住宅の竣工年代別の被害状況と特徴の分析を目的として熊本県益城町を中心に現地調査を行い、その結果を、調査報告と倒壊分析マップとしてまとめています。
「倒壊分析マップ」では、「全壊」「半壊」「外観上被害無」の3つの分類で被害状況を見ることができます。また、Googleストリートビューを用いることで、建物の倒壊前後の様子を比較することもできます。セミナーでは、年代ごとにいくつか建物をピックアップし、その被害状況を解説しました。1981年から2000年までに建てられた住宅で筋かいに釘を打っていないもの、2000年以降に建てられたと思われるもので倒壊、変形してしまっている住宅などの写真も公開しました。

また、本セミナーでは、被害にあった益城町の住宅で、実際の図面を入手できたものについて、「柱・壁の直下率」「性能表示壁量計算」「床倍率」「梁せい算定」「梁上耐力壁」の観点から分析を行いました。参加者からいただいた声では、特に「柱・壁の直下率」や「梁上耐力壁」の考え方について、関心が高かったと感じました。皆様、実務に当てはめてお考えになっていたのでしょう、解説を聞きながら、大きく頷かれている方が多数いらっしゃいました。

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品確法の耐震等級3を満たすためには、床倍率の検定が必須になります。しかし、その考え方を完全に理解されている方は、もしかしたら多くないのかもしれません。セミナーの後半では、床倍率のそもそもの考え方や、床倍率の耐震等級3をクリアするポイント等をお伝えしました。計算の内容を聞いて、難しいと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ソフトウェア(ホームズ君「構造EX」)を使用することで、手計算では面倒な部分(床区画の分け方や必要床倍率、存在床倍率の計算)をソフトウェアにまかせることができます。その分、設計者は耐力壁の位置や床面、屋根面の仕様の検討に注力することができるようになります。

今回のセミナーを通して、耐震等級の考え方について少しでも理解を深めていただけたのなら幸いです。今後も、セミナーやサポートセンターを通して、有益な情報をご提供してゆきたいと思いますので、ご期待ください。

【前真之先生 特別講演】ホームズ君でつくる「エコハウス」セミナー

6月 26th, 2016

2020年の省エネ基準の義務化やZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の標準化など、省エネに関わる国の施策が次々と進められています。
そのような中、2016年6月25日、東京大学 前真之先生を特別講師にお迎えし、「ホームズ君でつくるエコハウスセミナー」を開催しました。

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前真之先生の講演テーマは、「H28省エネ基準・ZEH その先へ エコナビ活用!ホントのエコハウスをカタチにしよう」。
エコハウスで実現すべきものとして挙げられたのは、「快適・健康」「省エネ」「省CO2」の3つです。「快適・健康」=家族のため、「省エネ」=日本のため(化石燃料の消費低減)、「省CO2」=地球のため(温暖化軽減)と、おっしゃっていました。
省エネ基準で定められている外皮平均熱貫流率(UA値)だけを見て家の性能を判断するのではなく、その家がいかに快適に、末永く住めるのか、という観点で判断すべきとおっしゃっていました。特に、ここ最近は最低室温○○℃以上をキープする、という考えが主流になっており、省エネの性能よりもまず健康面を第一に考えるようになってきているとのこと。日本で真のエコハウスを実現するためには、気温の変化や断熱、蓄熱をどうするかが重要であるとのことでした。
また、エコハウスの実現に向けて、地域ごとに必要にして十分な断熱性能を持たせる必要がある、という点を強調されていました。外皮平均熱貫流率(UA値)だけでなく、各地域の気候に合わせた設計を行い、いかに太陽を利用するか。特に日本は冬場でも日射の多い気候であり、これを有効活用すればリーズナブルに安いコストで快適な生活を手に入れることが可能になります。窓の位置についても構造で決めるのではなく、太陽の位置で決めるべきということです。地域ごとの太陽の日当たりのシミュレーション、そして室温の変化を考慮した設計を行うことで、地域ごとに必要十分な断熱性能を持たせることができます。
講演は、エコハウスは特別なものではなく「家」とはなによりも家族に幸せにくらしてほしいという願いで建てるもの、省エネ基準を満たすよりも快適さや健康を第一に考えること。そして誰もがその場所に安心して末永く幸せに住み続けられることが重要と締めくくられました。

前真之先生の特別講演に続き、インテグラル 執行役員 藤間明美が「日当たり重視の高断熱住宅の作り方」について講演を行いました。
エコハウスを考えるにあたり、隣棟などの周辺状況の検討が重要です。ホームズ君「省エネ診断」および「構造EX」に新たに追加される機能「日当たりナビ」では、周辺状況を考慮した日射熱や日照時間を目で見て確認できるようになります。同じ気象地域区分であっても、外気温、日射量、日射熱等は大きく違ってくる場合があります。壁・窓のラインはどこがよいのか?南の隣棟からの距離をどれくらいとるのか?日当たりをどう活かすか?眺望は?。「日当たりナビ」のシミュレーション結果を見ることで、具体的な構造の検討や外皮設計を始める前に、ある程度の日当たり状況を把握でき、窓の位置や隣棟からの距離、日当たりや眺望などの設計に生かすことが可能になります。つまり、エコハウスの実現に必要な、各地域の気象条件に合った設計を行うことができるようになります。

今回のセミナーを通して、省エネに対する考え方が変わった、理解が深まったなどの多くのご意見をいただきました。今後も様々なセミナーを通じて皆様に有益な情報をご提供できればと思います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

ホームズ君「木造住宅の耐震診断」再入門セミナー

5月 28th, 2016

ホームズ君「木造住宅の耐震診断 再入門セミナー」を大阪(5/18)、東京(5/19)、名古屋(5/27)の3会場で開催しました。
平成28年熊本地震の発生により、耐震診断・補強設計への問合せが急増するなか、建築関係者の皆様に木造住宅の耐震性能について再確認いただくべく、また知識を深めていただけるよう本セミナーを開催いたしました。

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平成28年熊本地震では、前震から本震までの28時間で震度7が2回、震度6強が1回発生しています。大規模な地震動が合計で3回、観測されました。
2016年5月14日に開催された日本建築学会「2016年熊本地震」地震被害調査速報会では、2000年以降に建てられたと思われる木造住宅においても17棟が倒壊・全壊した(最大の場合)可能性があると発表されています。

【参考】建築基準法の耐震基準の変遷
○旧耐震基準(1981年以前)
○新耐震基準(1981年~2000年)
・旧耐震基準に比べ、木造住宅で必要とされる耐力壁の量が最大で38%増加
○強化された新耐震基準(2000年以降) ※現行の基準
・基礎の仕様規定の明確化(地耐力に応じた基礎形式の選定など)
・耐力壁配置規定(4分割法または偏心率0.3以下)
・継手・仕口の仕様の明確化(柱頭柱脚接合金物必須など)

現行の基準では、中規模の地震動(震度5強程度)でほとんど損傷を生じず、また、極めてまれにしか発生しない大規模の地震動(震度6強から7程度)に対しても倒壊などの被害を生じないことを目標としています。しかし、今回の熊本地震では、4月14日の前震では無事であった建物も、4月16日の本震で倒壊・全壊したと言われています。大規模の地震動が複数回発生した場合、建物の耐震性が1回目の地震で低下する可能性が指摘されています。
それでは、今後、大規模の地震動が発生した場合にも倒壊・全壊しない建物とするには、どの程度の耐震性を目指すべきか。
その一つの目安として、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められた耐震等級があります。耐震等級2は「大規模の地震動の1.25倍の地震力で倒壊・崩壊しない」、耐震等級3は「大規模の地震動の1.50倍の地震力で倒壊・崩壊しない」とされています。被害を最小限に抑えるには、耐震等級3を目指すべきということを、本セミナーではお伝えしました。

一方、国土交通省は2020年までに既存住宅の耐震化率を95%にすることを目標に掲げています。この実現には、耐震改修のペースを現在の4~5倍にする必要があります。1981年以前に建てられた木造住宅は当然として、1981年~2000年までに建てられたもの(約1100万棟)においても、耐震性能が不足しているものがあると言われています。より多くの住宅で耐震診断を行い、耐震改修まで進める、とても重要な課題です。本セミナーでは、2012年改訂版の一般診断法および精密診断法1の計算方法について解説しました。現地調査を行う際のポイントも合わせて解説しましたので、より効率的に耐震診断を進めていただけると思います。これから耐震診断に取り組もうと考えている方も多数参加されていましたので、今回のセミナーを参考にしていただければ幸いです。

ホームズ君でつくるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス

4月 26th, 2016

「ホームズ君でつくるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」セミナーを東京(4/19)、大阪(4/21)の2会場で開催しました。
本セミナーは、経済産業省の平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)の一般公募と、その要件であるZEHビルダー登録申請にいち早く対応できるよう企画いたしました。参加申込み開始と同時にほぼ満席となり、追加開催のご要望など大きな反響をいただきました。

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ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)について、「エネルギー基本計画」(2014年4月11日閣議決定)では、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す」ことが明記されました。2015年12月17日には、経済産業省資源エネルギー庁「ZEHロードマップ検討委員会」が『ZEHロードマップ』を発表、ZEHの概念や達成のための要件が明確に定義されました。そして迎えた2016年はZEH標準化元年と言われています。

セミナーでは、ZEHの定義や補助事業の種類などの制度的な部分から、ZEHを達成する際の外皮や設備の設計ポイントまで幅広く解説しました。
補助事業は、国土交通省と経済産業省がそれぞれ行う予定です。経済産業省は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)」、国土交通省は「地域型住宅グリーン化事業」の中で実施されます。補助金額や補助要件等が異なるため、どちらを利用したほうがいいのかは個別に検討が必要です。

経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)」は、ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていることが交付要件です。
平成25年省エネ基準の一次エネルギー消費量の計算で求められる暖冷房や給湯、照明などの「基準一次エネルギー消費量」に対して、外皮・設備面で20%削減、そして太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入して、合計で100%以上の削減が必要となります。また、外皮性能(UA値)については、例えば東京などの6地域では、UA値を0.87から0.60まで向上させることが求められています。
一次エネルギー消費量の削減率を100%以上にするためには、太陽光パネルによる効率的な発電が重要です。
ホームズ君「省エネ診断エキスパート」の「すまいのエコナビ」では、次期バージョンから太陽光パネルの自動割付シミュレーション機能が追加されますが、今回のセミナーでは、その機能を紹介いたしました。ホームズ君などソフトウェアを使用することで、計算に要する時間を短縮できます。その分の時間を、ぜひ仕様検討などに費やしていただければと思います。

セミナー後、参加者から、「曖昧だったZEHの定義や補助金の内容が理解できた」「ZEH達成のために、外皮性能をどれだけ強化すればよいか、暖冷房や給湯などの設備仕様は何を選んだらよいか、太陽光パネル導入の考え方などが聞けてよかった」などの感想をいただきました。国は、ZEHが新築住宅の標準となることを目指しています。弊社も、ソフトウェアおよびセミナー等を通して、ZEHの普及に助力していきたいと考えます。
今後も、ZEHに関するセミナーを企画・開催していきます。

【全国5都市】実例に学ぶ!ソフト実習付き 許容応力度計算セミナー

3月 24th, 2016

ユーザ様からご要望の多かった許容応力度計算のソフト実習セミナーを、富山、仙台、東京、大阪、名古屋の全国5会場で開催しました。

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「実例に学ぶ!」のタイトルどおり、本セミナーは、実在の木造3階建てのオフィス(インテグラル開発センター、茨城県つくば市)の設計・許容応力度計算の実習です。実際のソフト(ホームズ君「構造EX」)を使って、CAD入力⇒伏図・基礎の入力⇒柱・水平構面の設定⇒荷重・外力の計算⇒許容応力度計算⇒NG解消まで、許容応力度計算を半日で体験・マスターしていただくのが目的です。
これまで許容応力度計算に取り組んだことのない方にも、許容応力度計算をはじめる第一歩としても最適のセミナーです。
実際、参加者の中には、「今まで外注していたものを自社でやりたい」「木造2階建てに許容応力度計算を取り入れてみたい」というお考えのもと参加された方も多く見受けられました。

さて、ソフトを使って初めて許容応力度計算を行うと、表示される検定NGの数に驚く方が多いようです。
数の多さに圧倒されてしまいがちですが、計算の仕組みが分かってくれば、何をどうすればNGを解消できるのか、道筋が見えてきます。恐るるに足りず、です。
もちろん、慣れないうちは、なかなかうまくいかない場合も多いと思いますので、そのような時はホームズ君のFAQやサポートセンター、セミナーをぜひご活用ください。

今回の実習セミナーでは、検定NGになりやすい鉛直構面、水平構面、柱頭柱脚接合部、土台とアンカーボルトの検定について、実際に操作をして、NGを解消していただきました。
水平構面の検定ではリアルタイムQ図、土台とアンカーボルトの検定では許容応力度計算後の再自動配置など、NGを手早く解決するためのコツも色々とお伝えできたのではないかと思います。

今回のセミナーが少しでも皆様の設計業務の手助けになったのであれば幸いです。

【全国8都市】ホームズ君 長期優良住宅 ソフト実習セミナー

2月 29th, 2016

ホームズ君の操作セミナーを、全国で開催してほしい。
そんなご要望にお答えし、長期優良住宅ソフト実習セミナーを、福岡、富山、広島、高知、仙台、東京、大阪、名古屋の8会場で開催しました。

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(上段左から、福岡、富山、広島 中段左から高知、仙台、東京 下段左から大阪、名古屋)

今回のセミナーは1日コースです。1日で、長期優良住宅の申請に必要な耐震等級と省エネをマスターしていただくことが目的です。

耐震等級で皆さんが難しいと思っていらっしゃるのは、やはり床倍率の等級のクリアです。
セミナーでは、耐力壁の移動を駆使し、間仕切壁に筋かいをバランスよく移動して床倍率の等級をクリアする演習を行いました。どの筋かいをどこに移動するのか?ホームズ君「構造EX」では、CAD入力に応じて計算結果がリアルタイムで変化します。偏心率の変化や上下階の耐力壁線の位置をもとに判断いただくと、床倍率の等級も、よりクリアしやすくなります。

また、伏図や基礎などの入力を実習しました。モデルプランの伏図を実際に入力し、基礎の検定で発生したNGを解消することを行いました。
梁端部の勝ち負けの設定、梁のコピー入力といった伏図入力時のポイントや、基礎の人通口の検定NGを解消するための方針など、実物件においても参考にしていただける部分は多かったのではないかと思います。

参加者の中には、「省エネの検討をこれまで行ったことが無い」「そもそも省エネの外皮性能の計算内容も良くわからない」とおっしゃる方もいました。
省エネ編では、外皮性能の解説後に、実際にモデルプランへ入力(断熱仕様の登録~屋根、外壁への設定、開口部のサッシの設定など)することで、理論とソフトの操作を結びつけて覚えていただけたのではないかと思います。リアルタイムで判定されるUA値、ηA値の数値を見ながら、断熱等性能等級を簡単に判定することもできます。
ホームズ君「省エネ診断エキスパート」の最新版では、トップライトや妻壁にある高窓なども入力できますので、これまで以上に入力しやすくなっています。今回のセミナーをきっかけに、省エネにも取り組んでみよう、と思っていただける方が少しでも増えると幸いです。

操作の疑問点を解消したい、もっと便利に使いこなしたい等の理由で参加されている方もいました。ホームズ君を使い慣れている方には、もしかしたら少し物足りなかった部分もあるかもしれません。今後は中級レベルの操作セミナーなども開催できればと思います。

足を運んでくださった皆様に、「参加してよかった」と感じていただけるセミナーを提供できるよう、今後も努めてゆきたいと思います。

東京大学 前真之先生が特別講演!ホームズ君「パッシブ設計セミナー」

2月 8th, 2016

ホームズ君『すまいのエコナビ』の発売を記念して、ホームズ君「パッシブ設計セミナー」を開催いたしました。

2016年2月8日の東京会場には、建築環境研究の第一人者である東京大学
前真之先生を特別講師にお迎えしました。日経アーキテクチュア掲載時から話題となった「エコハウスのウソ」の著者である前先生が『エコハウスのホント』を熱く語られました。

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ご講演の中、「気密なき断熱は無力なり」という言葉がありました。
平成11年基準の途中から気密の規定がなくなり、外皮性能の判定が、断熱性能のみで行われるようになりました。また、「日本の伝統にそぐわない」「木が呼吸できなくなる」などの理由から気密を毛嫌いする建築家も多いそうです。

しかし、たとえ断熱性能がよくても気密性が悪いと、暖気は上から逃げ冷気が下から吸い込まれてしまいます。逆に気密性がよい家では暖房効率がよくなることや断熱等性能等級4でもそれなりに温かい家になることを、実際のサーモグラフィーの画像をまじえてご紹介いただきました。

最後に前先生は、エコハウスは『特別な家』や『他の誰かの家』ではなく、みんなが住めて幸せに暮らせる私達の『普通の家』であるとおっしゃっていました。
「家族に寒い思いをさせたくない」「将来の光熱費を心配したくない」「みんなの健康は一番大事」など、住まい手の願いはいろいろですが、その答えが『本物のエコハウス』であると締めくくられました。

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特別講演に続いて、インテグラル 執行役員 藤間明美が「パッシブ設計のすすめ」というテーマで、パッシブ設計とは何か、そのメリットについて講演を行いました。

施主様に本当に満足していただけるパッシブ住宅を提案するため、下記のチェックポイントを地域ごとの気象条件、季節、隣棟などの要素を考慮したシミュレーションと共にご紹介しました。

    【チェックポイント】
  • 建物の向きによって日照時間や日射熱取得量はどの程度変化するのか?
  • 隣棟の距離によって日照時間はどのくらい変わるのか?
  • 軒の出の寸法がどのくらいになると、照度や日射熱に影響が出てくるのか?
  • 外皮性能で一次エネルギー消費量(暖冷房)、光熱費はどれだけ差がつくのか?

また、ホームズ君「すまいのエコナビ」を用いて、様々な観点から特徴的な3物件を比較したケーススタディを紹介いたしました。
実物件を通したシミュレーションで、日照時間や夏と冬の日射熱取得量の違い、通風など、これまで感覚的だった部分が、具体的に見えたのではないかと思います。

セミナー終了後、「すまいのエコナビ」について様々なご要望やご意見をいただきました。
モニター制度や日当たりを考慮した暖房費の違いをシミュレーションできるような機能強化等を現在検討中です。
引き続き関心を持っていただければ幸いです。

今後も様々なセミナーを企画・開催する予定です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

操作セミナー「耐震診断・補強設計セミナー (耐震診断Pro操作 入門編)」

11月 4th, 2015

2015年11月4日、インテグラル開発センター(茨城県つくば市)で、操作セミナー「耐震診断・補強設計セミナー(耐震診断Pro操作 入門編)」を開催しました。

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本セミナーでは、ホームズ君「耐震診断Pro」を使い、CADの入力から現状の耐震診断、補強設計まで、基本的な操作方法を体験していただきます。
今回の参加者の多くは、今年(2015年)ホームズ君「耐震診断Pro」を購入された方でした。
耐震診断の案件が舞い込んできた、今後は業務に取り入れたいなど、その理由は様々かと思いますが、まだまだ操作方法や耐震診断の考え方に不安をお持ちの方が多かったように思います。
今回のセミナーで、皆様が持っていた不安を少しでも解消できたのであれば幸いです。

本セミナーは、購入後間もない方、これからホームズ君「耐震診断Pro」の購入を考えている方向けのセミナーとなります。
もちろん、しばらく使う機会がなくて操作方法を忘れてしまった、という方も歓迎です。
ホームズ君にご興味を持たれた方は、是非、セミナーに足を運んでいただければと思います。